キバをもたないゾウが増えている
象牙の輸入は、絶滅の危機のある動植物の保護を目的としたワシントン条約で禁じられているが、それ以前の問題として、近年、アフリカゾウにキバをもたないゾウが増えつつある。現地には、キバを持たないゾウを意味する「タスクレ」という言葉もあるくらいだ。
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もともと、アフリカゾウは、大きくて立派なキバをもっていた。そのキバは、食べ物や水を得るための道具となり、防御や攻撃の武器になるが、だからといって、ゾウはキバがなければ、生きていけないわけではない。昔から、アフリカゾウの中には、キバのないゾウがいることはいた。しかし、キバのあるゾウとないゾウでは、どちらが生きていくうえで有利かというと、むろんキバのあるほうである。とくに、オスがメを奪い合うとき、キバのあるほうが圧倒的に強い。そのため、
昔は強いものが生き残る、というわけである。キバをもたないアフリカゾウの割合は、全体の2〜3%にすぎなかった。ところが、この自然摂理を狂わせたのが、人間によるゾウ狩りである。16世紀から、象牙を目的に大量殺我が行われ、ピークと言われる1900年前後には、毎年六〜七万頭のゾウが殺されていた。その後、ゾウは保護動物となったが、70年代〜80年代にかけても大規模な密猟が行われ、象牙は美術彫刻品や装飾、印鑑の材料などとして使われてきた。
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ゾウの祖先
マンモス
・・・マンモス
つながり
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もちろん、この問に人間狩りの対象となったのは、キバの大きなゾウ。その結果、キバのあるゾウ割合は70%にまで減り、キバのない 「タスクレ」 の割合が30%まで増えているのだ。
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こうなってくると、今後キバのないゾウでも交配のチャンスに恵まれる確率は、どんどん高くなっている。すると、キバのないゾウ遺伝子が受け継がれていくことになる。当然のことながら、キバをもたないゾウの割合が増えていく。
というわけで、これから先ゾウはキバをもたない動物に変化していきそうな事態が進行中なのだ。
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キバの無いゾウにとっては、チャンスであろう。せっかく、生まれたからには、交配したいと思うのが命あるものの本能なんだろうけど。 |
ゾウといえば、動物。
身近な動物といえば、ペット |
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今がラストチャンス?象牙の印鑑? |
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